少し前のことですが、コストコでオーガニックのエクストラバージンオリーブオイルを買っていました。
ORIGIN(オリジン)846 2本セット(775g×2本) 1,498円(税込・2020年3月)
このオリーブオイルは、世界でも有数のオリーブの栽培地『チュニジア産』のもの。
手摘みしたオリーブの実を、ファーストコールドプレス製法で抽出した無ろ過タイプ。とてもフルーティで、ピリッとした辛さのあるおいしいオリーブオイルですよ。
チュニジアのオリーブオイル
『オリジン846』なんて、面白い名前だと調べてみたら、以前ご紹介している『TERRA DELYSSA(テラデリッサ)』と同じ CHOカンパニー社(CHOグループ)のブランドの一つでした。
CHOカンパニー社は、オーガニックや天然のオリーブオイルをはじめ、オリーブオイルから作る石鹸や化粧品など、様々なものを製造しているチュニジア最大手の会社です。
今までチュニジア産のオリーブオイルは珍しいとしか思っていなかったのですが、実は今回『珍しい』には理由があることを知りました。
貧しい国 チュニジア
アフリカ北部に位置するチュニジアは、年中乾燥した気候のためオリーブの木がよく育ちます。それゆえ長年オリーブオイルの生産が盛んに行われてきました。
ところが、貧しい国のため、
- 生産したオリーブオイルを『瓶詰め』にする経済的能力は低く、オイルそのものを輸出するだけだった。
- オイルは、輸出先の西ヨーロッパ(イタリア・フランス・スペインなど)で現地のものと混ぜられたり、そのまま瓶詰めされて イタリア産・フランス産・スペイン産として販売されていた。*少し前のイタリアオリーブオイル偽装問題とは違います。
という歴史があります。
だから、今までチュニジア産を目にすることがほぼなかったわけです。ということは、今までイタリア産だと思っていたものが、実は中身はチュニジア産だったということもあるわけですよ。ビックリですね(苦笑)。
新たな出発
ところが2011年、長年に渡る独裁政権が終わり、チュニジア政府は国にオリーブの木を植えることで経済的な発展を推進しようと考えました。およそ1000万本もの木が、北部・中央部に植えられたようです。
それに加え、近年チュニジア産のオリーブオイルは、他国よりも多くのポリフェノールを含んでいることがわかってきました。
そこで、
品質の良いチュニジア産のオリーブオイル
ということを消費者に知ってもらうため、段々と生産したオリーブオイルを自社で『瓶詰めする』会社が増え、made in Tunisia として輸出するように。この結果、低かった『チュニジア産のオリーブオイル』の知名度は高くなってきました。
それに貢献しているのが、CHOカンパニーなんですね。カナダやアメリカに自社で瓶詰めした『チュニジア産』を多く輸出しています。
品質が良い理由
オリーブの木がよく育ち、オリーブオイルが生産されること、またポリフェノールが多く含まれていることはわかりましたが、なぜ品質が良いのか?
それは、以下のような理由があります。
- オリーブの栽培に農薬や除草剤を使わない。使わなくても十分育つ気候だから。
- 貧しい国ゆえに必然的にオリーブの収穫は『手摘み』となる。機械を買う余裕がないから。
つまり、自然と生産されるオリーブオイルは、オーガニックや天然のオリーブオイルとなり、高品質となるわけです。
なるほど〜(笑)。
そして現在、様々な国で『チュニジア産』を目にする機会が増えました。
じゃあ、チュニジア産なら全部OKなの?
いえいえ、残念ながらチュニジア産の全てのオリーブオイルが高品質というわけではありません。粗悪なものもあるようです。
そこで購入の目安となるのが『認定マーク』です。CHOカンパニーのブランドは、全て高品質を証明してくれる『認定マーク』がいくつも付いています(笑)。だから安心して口にできるのです〜。
- 有機JAS認定・・・日本農林水産省の有機規格
- コーシャ認証・・・スターKと呼ばれるユダヤ教適正食事規定認定製品
- USDA認証・・・米国農務省の有機規格
- GF認証・・・アメリカのグルテンフリー認定
- NON GMO認証・・・非遺伝子組み換え商品
CHOカンパニーは、現在オリーブオイルブランドを5種類持ち、そのうちの2種類『テラデリッサ』と『オリジン846』がコストコで取り扱われています。
もしかしたら、今後は違う種類も入荷するかも知れませんね。楽しみに待ちたいと思います。
商品について
さて、今回購入した『オリジン846』のブランド名は、ギリシャ・ローマ神話に登場する伝説のクイーン、カルタゴを建国したディド(幼名エリッサ)の誕生日が由来なんだとか。
出典:https://www.facebook.com/Origin846
という事は・・・
- テラデリッサ・・・古代カルタゴのコインに描かれていたクイーンエリッサと馬から
- オリジン846・・・クイーンエリッサの生誕年、紀元前846年から
どちらのブランド名も、クイーンエリッサが由来ということに!! 日本で言う聖徳太子? 織田信長なの? とにかく、現在チュニジアの紙幣にもクイーンエリッサが使用されるほど、チュニジアを象徴する存在みたいです。
では、やっとこさ中身のチェックへ(笑)。
中のオリーブオイルは、イエロー系かな。ろ過されていないけれど、濁りはほとんどありません。
これって実はすごいことなんですよ。通常ろ過されない場合は、沈殿物を取り除いても多少オイルに濁りが残るのが普通。どうやら独自のシステムを使っているようです。
原材料となるオリーブの品種は、チュニジアを代表する『Chemlali(シェムラリ)』と『Chetoui(シェトゥイ)』。シェムラリは甘味と黄金色が、シェトゥイは味が濃くピリッとした刺激が特徴です。
2つを合わせることで、フルーティさと辛みを併せ持つマイルドな仕上がりとなっています。
こうしてパンにつけて食べると・・・
おいしいよーー!
本当にフルーティという言葉がピッタリくる味です。それにすごく香りがいい! 『テラデリッサ』もお気に入りだけれど、こちらもおいしくて気に入りました。
チュニジア産ってすごいなぁ。
まとめ
チュニジア産だと軽い気持ちで購入した『オリジン846』は、香りが良くてフルーティ、エクストラバージンオリーブオイルらしい辛みのあるおいしいものでした。
まさに、フレッシュなまま使いたいオリーブオイルで、サラダや和え物などに最適。素材をグンと引き立ててくれる味だと思います。
今まで数々のオリーブオイルを使ってきましたが、改めてチュニジア産のオリーブオイルの品質の高さを認識。今後我が家では、使用頻度が増えること間違いなしです!
個人的にこのオイルの味はとても好みで、ジャンジャン使えるという印象を持ちました。無ろ過ということもあり、開封後はなるべく早めに使い切らなければいけませんが、我が家では心配せずとも使い切れそうです(笑)。
ということで、倉庫店によってはもう完売しているところもあるかも知れませんが、もしまだあれば、ぜひ手に取ってみてください。ディップに使ってもおいしいですよ!
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